私は毎日、紅茶を飲みます。1日1〜2杯、たいてい朝です。ストレートで飲みます。
理由は単純で、そのほうがおいしいからです。健康のために選んだわけでもありません。
ところが調べていて、少し驚きました。ミルクを入れると、紅茶の血管への働きが消えてしまうという研究があったのです。味で選んでいたことが、たまたま根拠と一致していた。
この記事は、そういう話を集めたものです。「どれが一番いいか」ではなく、何を変えたいのか、そして何をしないほうがいいのかを整理します。
扱うのは緑茶と紅茶です。コーヒーについては、後半で理由を書いて外しました。
早見表:目的で選ぶ
| 目的 | 向いている飲み物 | 主な成分 | 根拠の強さ |
|---|---|---|---|
| 空腹時血糖を下げたい | 緑茶 | カテキン(EGCG) | RCTのメタ解析2件(27件2,194名/17件1,133名) |
| 血圧を下げたい | 紅茶 | テアフラビン等 | RCTのメタ解析(11件・378名)※粉末のほうが大きく低下 |
| 緊張をやわらげたい | 緑茶・テアニン | L-テアニン | 小規模実験(12名) |
先に言っておくと、**どの効果も薬の代わりになるほどの大きさはありません。**数字は後で全部出します。
ミルクを入れると、消えます
この記事でいちばん伝えたい部分です。
ベルリンのシャリテ大学病院の研究チームが、健康な女性16名を対象に3つの条件を比べました。お湯だけ/紅茶だけ/紅茶+10%の脱脂乳です。飲む量はいずれも500mL。飲む前と2時間後に、腕の血管がどれだけ広がるか(FMD:血流依存性血管拡張反応)を超音波で測っています(文献1)。
結果はこうでした。
- 紅茶だけを飲んだとき、FMDはお湯と比べて有意に改善した
- 紅茶にミルクを加えたとき、その改善は完全に消えた
研究チームはさらに、ラットの大動脈と血管内皮細胞でも同じことを確かめています。紅茶は血管をゆるめ、一酸化窒素をつくる酵素(eNOS)を活性化しました。そしてミルクを加えると、そのすべてが止まりました。
犯人も特定されています。**ミルクのタンパク質「カゼイン」**です。カゼインが紅茶のカテキン類と結合して複合体をつくり、働けなくしてしまう、という説明です。
著者の視点
私がストレートで飲んでいるのは、味の好みです。健康のためではありません。だからこの研究を読んだときは、得をしたような、ばつの悪いような気持ちになりました。
ただ、冷静に線を引きます。参加者は16名です。決して大きな研究ではありません。そして測ったのは飲んだ2時間後の血管の広がり方であって、「ミルクティーを飲み続けると心臓病になる」ことを示したものではありません。ミルクティーが体に悪い、という話とは違います。
それでもこの研究が説得力を持つのは、ヒトで見た現象を、ラットの血管と培養細胞でも確かめ、原因物質(カゼイン)まで特定しているからです。16名という人数の弱さを、実験の積み重ねで補っている。そういう作りの研究です。
それでも、もしあなたが「血管のために紅茶を飲もう」と思っているなら、この一手間は知っておく価値があります。**入れるものを減らすだけ。**お金もかかりません。
実践ポイント
- **血管を意識して紅茶を飲むなら、ストレートで。**砂糖も入れないほうがよいのは言うまでもありません
- **この研究が調べたのは、牛乳(脱脂乳)だけです。**豆乳やオーツミルクでどうなるかは、この研究からは分かりません
- ミルクティーが好きな方は、そのまま楽しんでください。その一杯が害になると示した研究は、見当たりません
- レモンティーはこの研究の対象外です。ミルクを入れない飲み方、という点では条件を満たします
空腹時血糖なら「緑茶」——ただしHbA1cは揺れています
血糖については、緑茶のデータがいちばん揃っています。ただし揃っているからこそ、食い違いも見えます。
メタ解析が2つあります。新しくて規模の大きいほうから見ます。
2020年・27件のRCT・計2,194名(文献2)
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 空腹時血糖 | −1.44 mg/dL(95%CI −2.26〜−0.62、P<0.001) |
| 空腹時インスリン | 有意差なし(−0.46 μIU/mL、P=0.21) |
| HbA1c | 有意差なし(−0.06%、95%CI −0.12〜0.01、P=0.07) |
2013年・17件のRCT・計1,133名(文献3)
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 空腹時血糖 | −0.09 mmol/L(約−1.6 mg/dL、P<0.01) |
| HbA1c | −0.30%(95%CI −0.37〜−0.22、P<0.01) |
| 空腹時インスリン | 質の高い研究に限ると −1.16 μIU/mL(P=0.03) |
見比べてください。空腹時血糖は、2つともほぼ同じだけ下がっています。−1.44 と、約−1.6 mg/dL。
**食い違うのはHbA1cです。**2013年は「−0.30%、有意」。2020年は「−0.06%、P=0.07で有意差なし」。研究数が10件増え、人数が倍近くになったところで、効果が再現されませんでした。
2020年の著者らは「長期の試験が必要」と結んでいます。
著者の視点
この記事の以前の版で、私は2013年のメタ解析だけを引き、**「HOMA-IRを有意に低下させた」と書いていました。**抄録を読み直すと、HOMA-IRはどこにも出てきません。**根拠のない記述でした。**訂正します。
そして今回、2020年のメタ解析を読んで、**書き直す範囲がもっと広いと分かりました。**私が「臨床的に意味を持ちうる」と書いたHbA1cの−0.30%は、より大きな解析では再現されていません。
**数字の大きさも見ておいてください。**空腹時血糖の−1.44 mg/dL。健康診断の紙の上では、ほとんど動かない幅です。
ではこの2つ、どちらを信じるか。**私は「片方を選ぶ話ではない」と考えています。**空腹時血糖が下がることは2つとも一致している。HbA1cは揺れている。一致しているところまでが、いま言えることです。
緑茶は「効く」というより、食事全体を整えるうえで足を引っ張らない飲み物。それが正直なところだと考えています。
実践ポイント
- 血糖を意識するなら、食事のときの飲み物を緑茶に置き換えるのがいちばん取り入れやすい形です
- ただし**HbA1cが下がることは期待しないでください。**大きなメタ解析では再現されていません
- 甘い飲み物からの置き換えなら、緑茶そのものの効果とは別に、糖質を減らせるぶんの意味があります
- 1杯に含まれるカテキン量と、臨床試験で使われた量には差があります。詳しくは緑茶のカテキン量は1杯何mg?血管年齢の改善に必要な摂取量を保健学博士が解説にまとめています
- **糖尿病で治療中の方は、緑茶を理由に薬を減らさないでください。**方針は主治医と決めてください
血圧なら「紅茶」
紅茶と血圧のメタ解析があります。11件の研究・12の介入群・計378名を統合したものです(文献4)。
| 指標 | 変化 |
|---|---|
| 収縮期血圧 | −1.8 mmHg(95%CI −2.8〜−0.7、P=0.0013) |
| 拡張期血圧 | −1.3 mmHg(95%CI −1.8〜−0.8、P<0.0001) |
ここまでが、よく紹介される部分です。全文を読むと、話が変わります。
「4〜5杯」の中身は、400〜1,800 mL
各研究で飲まれた量は、1日400 mLから1,800 mLまで幅がありました。4.5倍の差です。「4〜5杯」と要約されていますが、上限は1.8リットル。日常的に飲める量を超えています。
半数は「茶葉」ではなく「粉末」
11件のうち、茶葉をお湯で淹れたのは6件。残る5件は、標準化された抽出粉末をお湯に溶かしたものです。
そして、ここが重要です。
粉末を使った研究のほうが、茶葉を使った研究より、収縮期血圧の下がり幅が大きかった。
つまり**−1.8 mmHgという数字は、粉末の研究に引き上げられた平均値**です。茶葉から淹れた紅茶だけを見れば、これより小さくなります。
もとの血圧が高い人ほど、よく下がる
もうひとつ。もとの収縮期血圧が10 mmHg高いごとに、下がり幅が約1 mmHg大きくなるという関係が示されています。
裏を返せば、血圧が正常な人では、−1.8 mmHgより小さい。
資金提供について
**この研究はUnilever R&D Vlaardingenの資金提供を受けており、著者のうち4名が同社の社員です。**紅茶製品を扱う企業です。
論文にはこう書かれています。**「全著者が、研究デザイン・データ収集と解析・出版する判断・原稿作成に関与した」。**資金提供者の社員が、出版するかどうかの判断にも入っている、ということです。
著者の視点
利益相反があるからといって、結果が嘘になるわけではありません。査読を通ったメタ解析ですし、PLOS Oneは資金提供と著者所属を全文に明記しています。隠されていないことは、評価すべき点です。ただ、読むときに知っておくべき情報ではあります。
そのうえで、私がこの節を書き直した理由を書きます。最初に書いたときは、抄録しか読んでいませんでした。−1.8 mmHgという数字と、4〜5杯という条件。それだけで節を組んでいました。
全文を開いたら、400〜1,800 mLという幅と、粉末のほうがよく下がるという但し書きと、もとの血圧が高い人ほど下がるという関係が出てきました。どれも抄録にはありません。そしてどれも、読者が知るべきことです。
私は1日1〜2杯を、茶葉から淹れて飲んでいます。**研究の条件からいちばん遠いところにいます。**血圧のために飲んでいるわけではないので、それでいいと思っています。ただ、「紅茶は血圧にいい」と書いてある記事を読んで、私と同じ飲み方をしている人が期待するとしたら——その期待は、この研究が支えてくれる範囲を超えています。
実践ポイント
- 血圧を意識して飲むなら、研究で使われた量は1日400〜1,800 mL。ただしカフェインの総量が増える点に注意
- 茶葉から淹れる場合、下がり幅は平均より小さい可能性があります(粉末抽出物のほうが大きく下がっていました)
- もともと血圧が高い人ほど、下がり幅は大きい傾向です。正常な方が飲んでも、数字はあまり動きません
- **紅茶で血圧が下がるから減塩しなくていい——とはなりません。**効果の大きさが違います
- 降圧薬を飲んでいる方は、紅茶を理由に自己判断で薬を変えないでください
- 紅茶全般については紅茶は体にいい?死亡リスク・血圧・鉄の話を保健学博士が解説へ。タンニンと鉄の話もそちらに書いています
コーヒーの節は、外しました
以前の版には「コーヒーを1日3〜5杯飲む人は、認知症が65%少ない」という節がありました。**外しました。**タイトルからもコーヒーを落としています。
理由は単純です。**根拠にした論文の全文を、私が読めなかったからです。**有料誌で、抄録も直接は入手できませんでした。より新しく規模の大きい研究(38のコホート・約75万人)も探しましたが、こちらも全文が読めませんでした。
数字だけを引き写して並べることはできます。この記事では、それをやめました。
著者の視点
コーヒーと認知症の関連を報告した観察研究は、実際に複数あります。ただし私はいま、その中身を確かめられていません。
今回この記事を書き直すにあたって、私は5本の論文のうち3本で、抄録には書かれていない事実に行き当たりました。紅茶の血圧の研究では「4〜5杯」の実態が400〜1,800 mLだったこと。テアニンの研究では血圧を測っていなかったこと。どれも、抄録だけを見ていたら気づきませんでした。
だから、読めていない論文から数字を持ってこないことにしました。確かめられたら書きます。
実践ポイント
- コーヒーの淹れ方や適量についてはコーヒーは体にいい?1日3〜4杯の健康効果と淹れ方の注意点を保健学博士が解説へ
- いま飲む習慣がある方が、この節がなくなったことを理由にやめる必要はありません
「テアニンで眠れる」は、言いすぎです
緑茶に含まれるアミノ酸、L-テアニン。リラックス成分として知られています。
よく引かれるのが、Kimuraらの実験です(文献5)。暗算課題という急性のストレスを与え、L-テアニンを摂ったときと摂らないときを比べています。
論文に書かれている条件を、そのまま並べます。
- 参加者は12名の男子大学生(20〜25歳、平均21.5歳)
- L-テアニン200 mgを水100 mLに溶かして摂取
- 測定したのは心拍数・心拍変動・唾液中のIgA・主観的なストレス感・状態不安
- テアニンを摂った条件では、プラセボ条件に比べ心拍数と唾液IgAの上昇が小さかった
そして、論文自身が挙げている限界です。
- **血圧は測定していない。**論文の考察に「血圧・血管抵抗・ノルアドレナリン・アドレナリンを測定していないため、交感神経の活動については推測しかできない」と記載されています
- 摂取タイミングを2通りで比べたが、両者に有意な差はなかった
- 心理指標と生理指標の相関は有意に達しなかった(論文は参加者数の少なさを理由に挙げています)
- 男性のみを対象としており、一般化には男女を含むより大きな標本が必要と記載されています
そして、これは正確に書かなければいけません。この研究は、睡眠を測っていません。
以前の版で、私はこの文献を「リラックス・睡眠改善」の根拠として使っていました。**これも訂正します。**急性ストレス下の生理反応の研究であって、睡眠の質を調べたものとは違います。
著者の視点
テアニンに何もない、と言いたいのでもありません。「この研究は睡眠を見ていない」という一点です。
もうひとつ訂正します。**以前の版で、私は「血圧を測定した」と書いていました。誤りです。**論文には測定していないと明記されています。抄録だけを見て書いたためです。
利益相反も記しておきます。**著者4名のうち2名は太陽化学株式会社に所属し、実験に使われたL-テアニンは同社の製品(Suntheanine)です。**論文にそう書かれています。
テアニンの詳細はテアニンの効果|睡眠・集中力・リラックスへの影響と緑茶では足りない理由にまとめています。緑茶1杯では臨床試験の量に届かないという話も、そちらに書きました。
実践ポイント
- 緊張する場面の前に緑茶を一杯、という使い方なら、この研究の射程に近い形です
- 眠れないことが続いているなら、飲み物の前に、起床時刻と光を整えるほうが確実です
- 不眠が長引く場合は、自己判断でサプリを増やさず、医療機関に相談してください
夜のカフェイン——私はデカフェにしています
私が紅茶を飲むのは、たいてい朝です。夜はカフェインが気になるので、飲むならデカフェにしています。
これは研究というより、生活の工夫です。カフェインの感受性には個人差が大きく、「何時以降はだめ」と一律には言えません。夕方のコーヒーで眠れなくなる人もいれば、寝る前に飲んでも平気な人もいます。
著者の視点として
私がデカフェにしているのは、眠れなくなった経験があるからではなく、気になるからです。白状すると、実験して確かめたわけでもありません。
ただ、この「気になるから避ける」という判断は、悪くないと思っています。**カフェインを夜に摂らないことで失うものは、ほとんどありません。**得るものが不確かでも、失うものがないなら、避けておけばいい。健康行動には、そういう選び方があってよいと考えています。
実践ポイント
- 寝つきが気になる方は、午後以降のカフェインを1週間だけやめてみると、自分の感受性が分かります
- デカフェの紅茶・緑茶は選択肢が増えています。「夜は飲まない」より続けやすい方法です
- 妊娠中の方、授乳中の方、不整脈のある方は、カフェイン量について主治医に確認してください
「抗酸化作用がある」で止めないでください
緑茶も紅茶も、いずれもポリフェノールを含み、試験管の中では強い抗酸化作用を示します。よく宣伝される部分です。
ただし、ここには飛躍があります。**「抗酸化作用がある」と「老化を防ぐ」のあいだには、証明されていない距離があります。**試験管で活性酸素を消したことと、人が長く健康でいられることは、別の問題です。
私はこの記事の以前の版で「抗酸化・老化予防なら緑茶」という節を立てていました。**その見出しは外しました。**支えられる根拠がないからです。
著者の視点
健康記事を書いていて、いちばん誘惑が強いのがこの言葉です。**「抗酸化」は何にでも使えて、しかも否定されにくい。**便利すぎるのです。
だから私は、抗酸化を単独の売りにしないことにしています。血糖が何mg/dL、血圧が何mmHg——測れるものだけを書く。地味ですが、その書き方なら読者を裏切りません。
実践ポイント
- 「抗酸化作用があります」としか書いていない商品説明は、**何がどれだけ変わるのかを見てください。**数字がなければ、判断できません
- 濃縮タイプの飲料やサプリを選ぶ前に、普通のお茶を毎日飲むほうが安く、続きます
- 抗酸化を理由に量を増やす必要はありません。カフェインの総量のほうが、体感に響きます
もっと詳しく知りたい方へ
この記事は、緑茶と紅茶を見比べる入口です。それぞれの詳細は、個別の記事にまとめています。コーヒーの記事も、参考として並べておきます。
- 緑茶は体にいい?成分と1日の適量、L-テアニンの働きを保健学博士が解説
- 緑茶のカテキン量は1杯何mg?血管年齢の改善に必要な摂取量を保健学博士が解説
- 緑茶カテキンで血管年齢は若返る?動脈硬化予防への効果を保健学博士が解説
- 紅茶は体にいい?死亡リスク・血圧・鉄の話を保健学博士が解説
- 食後に和紅茶を飲むと血糖値が下がる?|テアフラビンの効果をエビデンスで解説
- コーヒーは体にいい?1日3〜4杯の健康効果と淹れ方の注意点を保健学博士が解説
- テアニンの効果|睡眠・集中力・リラックスへの影響と緑茶では足りない理由を保健学博士が解説
まとめ
「どれが一番いいか」には、答えがありません。変えたいものによって、選ぶものが変わります。
空腹時血糖なら緑茶。**ただしHbA1cは、大きいほうのメタ解析では下がっていません。血圧なら紅茶。ただし1日400〜1,800 mLで1.8 mmHg、しかも茶葉より粉末のほうがよく下がっています。****コーヒーは扱っていません。**全文を読める論文が見つからなかったからです。テアニンは緊張をやわらげますが、睡眠を測った研究ではありません。
そして、いちばん実行しやすいこと。**紅茶をストレートで飲む。**ミルクを入れると血管への働きが消えるという研究があります。何かを足す必要はなく、足さないだけで済みます。
私は味が好きでそうしていました。**健康のために始めたことではありません。**でも、続けます。
医療に関する注意
本記事は健康情報の提供を目的としており、診断・治療・医療行為を推奨するものではありません。紹介した研究は対象・人数・期間が限られており、すべての方に同じ結果が当てはまるわけではありません。糖尿病・高血圧などで治療中の方は、飲み物を理由に自己判断で薬を変更せず、主治医にご相談ください。カフェインは、妊娠中・授乳中の方、不整脈や胃潰瘍のある方、睡眠に問題を抱えている方では注意が必要です。鉄欠乏性貧血のある方は、お茶に含まれるタンニンが鉄の吸収を妨げることがあるため、服薬や食事との時間について主治医・薬剤師にご確認ください。不眠が続く場合は、飲み物の工夫だけで対処せず、医療機関にご相談ください。
【使用文献】
文献1|Lorenz M, Jochmann N, von Krosigk A, Martus P, Baumann G, Stangl K, Stangl V. Addition of milk prevents vascular protective effects of tea. European Heart Journal. 2007;28(2):219-223. DOI: 10.1093/eurheartj/ehl442. PMID: 17213230 (健康な女性16名を対象に、お湯・紅茶・紅茶+10%脱脂乳の3条件(各500mL)で、飲用前と2時間後のFMD[血流依存性血管拡張反応]を高分解能血管超音波で比較。紅茶単独では有意に改善したが、ミルクを加えると効果が完全に消失。ラット大動脈およびヒト血管内皮細胞の実験でも、紅茶による血管弛緩とeNOSの活性化がミルク添加で阻害された。ミルクタンパクのうちカゼインが、茶カテキンと複合体を形成することで阻害に関与すると報告)
文献2|Zhao Y, Cheng Y, Chen G, et al. Effects of green tea consumption on glycemic control: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Nutrition & Metabolism. 2020;17:56. DOI: 10.1186/s12986-020-00469-5. PMC7350188 (**オープンアクセス。本記事の執筆にあたり全文を確認した。**2020年2月までのRCTを検索し、27件・計2,194名を統合。ランダム効果モデル。空腹時血糖は −1.44 mg/dL[95%CI −2.26〜−0.62、P<0.001]有意に低下し、異質性はほぼ認められなかった[I²=7.7%]。一方、空腹時インスリンは −0.46 μIU/mL[95%CI −1.10〜0.17、P=0.21]、HbA1cは −0.06%[95%CI −0.12〜0.01、P=0.07]で、いずれも有意差なし。著者らは「短期試験では空腹時血糖を下げるが、インスリンとHbA1cには有意な効果がない」とし、長期試験の必要性を指摘している)
文献3|Liu K, Zhou R, Wang B, Chen K, Shi LY, Zhu JD, Mi MT. Effect of green tea on glucose control and insulin sensitivity: a meta-analysis of 17 randomized controlled trials. American Journal of Clinical Nutrition. 2013;98(2):340-348. DOI: 10.3945/ajcn.112.052746. PMID: 23803878 (17件のRCT・計1,133名を統合。空腹時血糖 −0.09 mmol/L[95%CI −0.15〜−0.03、P<0.01]、HbA1c −0.30%[95%CI −0.37〜−0.22、P<0.01]がいずれも有意に低下。Jadadスコアの高い研究に限った層別解析では、空腹時インスリンも −1.16 μIU/mL[95%CI −1.91〜−0.40、P=0.03]低下。**抄録の結果・結論にHOMA-IRの記載はない。**なお本誌は有料であり、本記事の執筆時点で全文は確認できていない。抄録に明記された数値のみを引用している)
文献4|Greyling A, Ras RT, Zock PL, Lorenz M, Hopman MT, Thijssen DH, Draijer R. The effect of black tea on blood pressure: a systematic review with meta-analysis of randomized controlled trials. PLoS One. 2014;9(7):e103247. DOI: 10.1371/journal.pone.0103247. PMID: 25079225 (**オープンアクセス。本記事の執筆にあたり全文を確認した。**11件の研究・12介入群・計378名を統合。収縮期血圧 −1.8 mmHg[95%CI −2.8〜−0.7、P=0.0013]、拡張期血圧 −1.3 mmHg[95%CI −1.8〜−0.8、P<0.0001]。以下は抄録になく全文にのみ記載:①各研究の摂取量は1日400〜1,800 mL(フラボノイド240〜1,500 mg相当)と幅がある ②11件中6件は茶葉を熱湯200〜300 mLで1〜2分抽出、残る5件は標準化された茶抽出粉末を用いており、粉末を用いた研究のほうが収縮期血圧の低下が大きかった ③ベースラインの血圧が10 mmHg高いごとに約1 mmHg低下幅が大きい ④研究の質スコアが1点上がるごとに拡張期の低下幅が1 mmHg大きい ⑤フラボノイド量・介入期間による実質的な影響は認めなかった。資金提供はUnilever R&D Vlaardingen、著者4名が同社に雇用され、全著者が研究デザイン・データ収集と解析・出版の判断・原稿作成に関与したと明記)
文献5|Kimura K, Ozeki M, Juneja LR, Ohira H. L-Theanine reduces psychological and physiological stress responses. Biological Psychology. 2007;74(1):39-45. DOI: 10.1016/j.biopsycho.2006.06.006. PMID: 16930802 (無料公開されているPDFにより、本記事の執筆にあたり全文を確認した。参加者は12名の男子大学生[20〜25歳、平均21.5歳]。L-テアニン200 mgを水100 mLに溶解して投与し、20分間の暗算課題を急性ストレッサーとした二重盲検・ラテン方格法。測定項目は心拍数・心拍変動・唾液中分泌型IgA・主観的ストレス感・STAI状態不安。テアニン摂取条件では、プラセボ条件に比べ心拍数と唾液IgAの上昇が小さかった。論文に明記された限界:①血圧・血管抵抗・ノルアドレナリン・アドレナリンは測定しておらず、交感神経活動については推測にとどまる ②摂取タイミング2条件に有意差なし ③心理指標と生理指標の相関は有意に達せず、論文は参加者数の少なさを理由に挙げている ④男性のみを対象としており、一般化には男女を含むより大きな標本が必要と記載。著者4名のうち2名は太陽化学株式会社に所属し、使用されたL-テアニンは同社製品(Suntheanine)である。 本研究は睡眠を評価していない)


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