家庭血圧と病院の血圧が違うときは?正しい測り方と基準値を保健学博士が解説

動脈硬化ケア

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家で測ると低いのに、病院で測ると高い。あるいは、その反対。家庭血圧と病院の血圧が違って、どちらを信じればいいのか迷ったことはないでしょうか。

先に答えを書いておきます。家と病院で血圧が違うのは、珍しいことではありません。高血圧の診療ガイドラインは、2つの結果が食い違うときは、家庭血圧を優先するとしています。

この記事で分かることを、先に4つ書きます。

  • 家と病院で血圧が違う人は少なくない。食い違ったら家庭血圧が優先される
  • 朝は起きて1時間以内、夜は寝る前。1〜2分座ってから、2回測って平均をとる
  • 1回目が高いのはよくあること。値は選ばずに、全部記録する
  • 家庭血圧は135/85以上で高血圧、115/75未満が正常。血圧計は上腕で測るものを選ぶ

家と病院で血圧が違うときは?家庭血圧を測る意味

私自身は家で血圧を測っていませんが、母には測るようにすすめています。診察室で測る血圧と、家で測る血圧は、ずいぶん違うからです。それに、朝に高いのか、いつ高いのかも、家で測れば分かります。

ガイドライン(文献1)は、家と病院で血圧が違う状態を、2つの型に分けています。

  • 白衣高血圧:病院では高いが、家では正常。高血圧の人の15〜30パーセントに見られ、年齢が高いほど多い
  • 仮面高血圧:病院では正常だが、家では高い。高血圧ではないとされている人の10〜15パーセントに見られる

白衣高血圧は「病院で緊張しただけ」と思われがちです。けれどガイドラインは、高血圧でない人に比べて将来の心臓や血管の病気が多いため、注意深く経過を見る必要があるとしています。

そして、病院の血圧と家庭血圧で診断が食い違うときは、家庭血圧による診断を優先する。ガイドラインには、そうはっきり書かれています。仮面高血圧は、病院で測る血圧だけでは見つかりません。

実践ポイント
  • 病院で高いと言われた方も、正常と言われた方も、家で測ってみてください。どちらの型かは、家で測ると分かります
  • 家族にすすめるときは、「病院の値だけでは分からないことがあるから」と伝えると、理由が伝わりやすくなります

家庭血圧の正しい測り方:いつ・何回・どの姿勢で

家庭血圧は、毎回同じ条件で測ることで役に立ちます。2019年版のガイドライン(文献1)がすすめる条件は、次のとおりです。

朝夜
いつ起きてから1時間以内寝る前
条件トイレのあと・朝食の前・薬を飲む前—
姿勢いすに座って1〜2分安静にしてからいすに座って1〜2分安静にしてから
回数2回測って平均2回測って平均

夜は、お風呂やお酒、薬のあとになりやすく、どれも血圧を下げる方向に働きます。そのため、夜の値は朝より低く出やすい、というのがガイドラインの説明です。朝と夜を分けて記録するのは、このため。

高血圧かどうかや、薬が効いているかどうかは、1回の値ではなく、朝と夜それぞれ7日間(少なくとも5日)の平均で判断します。

実践ポイント
  • 朝はトイレのあと、朝食と薬の前に測ってください。順番を毎日そろえるのがこつです
  • 受診するときは、5日分以上の記録を持っていってください

家庭血圧の1回目が高いときは?2回測って平均をとる

測ってみたら1回目が高くて、もう一度測ったら下がった。よくあることです。

ガイドライン(文献1)によると、多くの場合、最初に測った値は、あとの値より高く出ます。一方で、2回目のほうが高かった機会が1割以上あった、という報告もあります。1回に何回測ればいいかについて、はっきりした根拠はないとも書かれています。

そのうえで、原則として2回測り、その平均をその時の値にする。これが基本の決まりです。1回しか測れなかった日は、その値を使います。

大事なのは、記録のしかた。文献1は、測った値はすべて、選ばずに記録するよう求めています。低いほうだけを書くと、本当の血圧より低く見えてしまいます。

実践ポイント
  • 1回目が高くても、測り直しを何度も繰り返さないでください。2回測って平均をとれば十分です
  • 高い値も低い値も、全部書いてください。選んで書くと、主治医が正しく判断できません

家庭血圧の基準値:135/85と125/75の違い

家庭血圧の基準は、病院の血圧より低めの設定。2025年版のガイドラインの要点(文献2)によると、家庭血圧の診断の基準は、2019年版から変わっていません。

区分病院で測る血圧家庭血圧
正常血圧120未満かつ80未満115未満かつ75未満
正常高値血圧120〜129かつ80未満115〜124かつ75未満
高値血圧130〜139または80〜89125〜134または75〜84
高血圧140以上または90以上135以上または85以上

左の数字は上の血圧(収縮期)、右の数字は下の血圧(拡張期)で、単位はmmHgです。高値血圧と高血圧は、上と下のどちらか一方でも当てはまれば、その区分になります。

治療を受けている人の目標は、病院で130/80未満、家庭血圧で125/75未満。

家庭血圧の135/85は「高血圧かどうか」の線、125/75は「治療で目指す」線、115/75未満が「正常」です。2025年版では、病院の血圧で130/80以上の人は、適切な管理を考えるべきだと明記されました。

実践ポイント
  • 家で135/85以上が続くときは、記録を持って受診してください
  • 治療中の方の目標は、主治医が決めます。表の数字は目安として見てください

血圧計は上腕式を選ぶ:手首式との違い

家庭用の血圧計には、上腕に巻くものと、手首に巻くものがあります。ガイドライン(文献1)がすすめるのは、上腕で測る機器です。

手首式は小さくて手軽ですが、手首と心臓の高さをそろえるのが難しい機器です。心臓からの高さが5センチ違うだけで、3.5mmHg以上の差が出ることがある。文献1の説明です。手首は骨と腱に囲まれていて、動脈を押さえきれないことや、手首の曲げ伸ばしで値が変わることも挙げられています。

ただし、腕がとても太くて短いなど、上腕で測るのが難しい人は別です。その場合は、手首式も選択肢になります。

上腕式でも、腕の太さに合わないカフ(腕に巻く帯)を使うと、10mmHg以上の誤差が出ることがあります。不整脈のある人では、自動の血圧計の値は当てにならないことが多い、とも書かれています。

実践ポイント
  • これから買うなら、上腕式を選んでください
  • 腕の太さに合うカフかどうかを、買う前に確かめてください
  • 不整脈があると言われている方は、測り方を主治医に相談してください

上腕式の血圧計の一例です(広告)。腕帯が合う腕の太さは、商品の表示では17〜36センチです。ご自分の腕の太さが入るかを確かめてから選んでください。

上腕式血圧計 HCR-7204T(Amazonの商品ページ)

医療に関する注意

この記事は、ガイドラインをもとにした一般的な情報です。診断や治療を目的としたものではありません。

  • 血圧の薬を飲んでいる方は、家の値が低くても、自分の判断で薬を減らしたりやめたりしないでください
  • この記事の測り方は、2019年版のガイドラインの手順です。主治医から別の指示があるときは、そちらを優先してください

まとめ

家庭血圧と病院の血圧が違うのは、珍しいことではありません。食い違うときは、家庭血圧が優先されます。

朝は起きて1時間以内、トイレのあと、朝食と薬の前。夜は寝る前。座って1〜2分待ってから、2回測って平均をとります。1回目が高くても、値は選ばずに全部書いてください。

家で135/85以上が続くなら、その記録を持って受診する。家庭血圧は、病院では見えない自分の血圧を、主治医に見せるための記録です。

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【使用文献】

  1. Umemura S, Arima H, Arima S, Asayama K, Dohi Y, Hirooka Y, et al. The Japanese Society of Hypertension Guidelines for the Management of Hypertension (JSH 2019). Hypertens Res. 2019;42:1235–1481. doi:10.1038/s41440-019-0284-9
  2. Ohya Y, Sakima A, Arima H, Fukami A, Furuhashi M, Ishida M, Ishimitsu T, Kai H, Matsumura K, Miura K, Mukoyama M, Munakata M, Ohkubo T, Rakugi H, Takami T, Tsuchihashi T, Hirawa N. Key highlights of the Japanese Society of Hypertension Guidelines for the management of elevated blood pressure and hypertension 2025 (JSH2025). Hypertens Res. 2025;48:2500–2511. doi:10.1038/s41440-025-02331-8
瀬戸 茉莉花

看護師として大学病院・公立病院で臨床を経験後、現在も大学教員として17年間、看護学生の教育と生活習慣病予防の研究に携わっています。看護師・保健師。保健学博士。2児の母として、子育てをしながら情報発信中。
人の幸せの根底には、健康があると思っています。健康だからこそ、大切な人と楽しい時間を少しでも多く過ごせる。そのために健康オタク仲間を増やして、みんなで人生の最後まで元気でいたい。そんな思いでこのブログを書いています

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※本記事は健康情報の提供を目的としており、診断・治療・医療行為を推奨するものではありません。症状や体調についての具体的なご相談は、医師または薬剤師にご確認ください。

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